ここのところ立て続けにたみさんという名前の女性が泊まりに来た。

家族と来ていた女性は「自分の名前と同じ宿に前から泊まってみたかったんです」と私に言った。それで店で購入したトートバッグやステッカーを片手に、店の外看板の横で家族と記念撮影をしていた。

チェックアウトの時にこれからの予定を尋ねると「たみに来るのが目的だったから他に何もプランはないんです」と笑顔で言った。

たみと書かれたトートバッグは、別のたみさんという名の友人にお土産として渡すのだという。

それから一週間後に一人旅の若い女性が来た。やはり前々からたみのことを知っていてずっと泊まりたかったこと、平仮名でたみと書くので字面まで同じだと語ってくれた。

「たみさん＠たみですね」と私が言うと頷いて「ここに来れて嬉しいです」と笑顔を見せた。

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私の身の回りにはたみという名前のつく人が存在していなかったが、よく考えてみると、世の中にはたみがつく名前の人が結構いるのだなと思った。

有名人にも結構いる。

ミュージシャンの奥田民生、小説家の景山民生、女優でバレリーナの草刈民代、サイボーグの暗殺者ターミネーター、東洋のルソーと言われた中江兆民（たみじゃなくてみんって読むけど）等。

これからもいろんなたみさんにたみに来てもらいたい。旅の動機や目的はなんだっていいのだ。

(さち)