スナック

2020/09/30

松崎に2つだけあるスナックのうち、ひとつが月末で閉まってしまう。そう聞いて、たみの近所のスナックへ最初で最後に行ってきた。

84歳のママは、初めてやって来た私たち4人の名前を1人ずつ聞いて、丁寧に覚えてくれようと、メモしてくれた。

「15年分の泡だぁ」って言って出してくれた、生ビールはやけに美味しそうだった。(美味しかった。)

一緒に行ったスタッフの1人がカラオケを歌い、高得点を出すと、カンチューハイを1本くれた。

ゆっくり、でも確実にはっきりと話すママの鳥取弁の言葉。チョコレートを食べた後にサイダーを飲んだ時のしわくちゃな顔。あんまし可愛くてみんなで笑った。

あんなに愛らしくて平和なスナック、あとにも先にも、これはなかなか出会えんぞ。

たった2時間足らずだったけど、心をピンク色にして帰った。もっと早くに来とけばよかった、って何回も言った。
酔っ払いながらも、忘れませんようにって祈りながら扉を閉めた。

私へ。未知の扉は、なるべく早く開けていこうな。

(ひ)

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