写真展

2021/03/31

この町の公民館で、お世話になっているおっちゃん(リスペクトを込めて)が写真展を開いた。出会ったときから、祭りやスポーツ大会など、ここぞって時は必ずカメラを持っているおっちゃん。昔からのこの町の慣しや山菜がどこにあるかとか、興味を示すと喜んで教えてくれる。おっちゃんは、年に一度ぐらい、写真展を開催しているけど、公民館で見たのは初めてだったので最終日にようやく見にいく。

「心に虹を」というタイトルの展示は、2000年代ぐらいから現在までのこの町で見た虹の写真だった。「虹」もいろいろな現象と名前があって、半円のものとか、太陽の周りに映るものとか、短いのとかいろいろあって、それぞれの現象をネットで調べてプリントされた資料が展示されていた。「昔、池に橋をかける話もありましたね。」と一枚ずつの作品タイトルの横に一文添えられていて、撮影当時の町のことも感じられるようになっていた。
額縁がずらりと並ぶ中で、一点だけ、大胆に斜めに傾いた額縁があったので、外れたのかと思い持ち上げようとしたら、「どうしても全部をカメラにいれたくて」と書かれており、よくみたら斜めアングルの虹の写真だった。水平で見てもらうために、斜めに展示させたのだった。

ぐるりと展示を見て回って、自由帳があったのでページをめくると、「太った僕でもこの橋(虹の)は渡れますかね」と知り合いのコメントが書かれてあり、静かな公民館で一人笑った。いい展示だった。

次の日の朝、犬の散歩をしていたら、おっちゃんが車で通りかかり写真展の話をした。今年で73歳になるおっちゃんは、これまでフィルムで撮影してたけど、飛ぶ鳥を連写したいと思い始め、60歳前後の頃、ジャパネットたかたでデジタルカメラを購入した。使い方がわからないから、教室に通うようになって仲間ができて教えてもらっているそう。「色補正はせず、コントラストとトリミングだけいじってる。説明書を読んでもカタカナばかりだし、パソコンのことはよくわからんからね。」

感想をたくさん伝えたら、「残り何回になるかわからんから力が入るからすぐにはできないわ」と照れてた。
また写真展が見れますように。

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